テーマ:世界保健機関タバコ規制枠組み条約(FCTC)

World No Tobacco Day 2011

2011年1月13日、世界保健機関は来るべき5月31日(火)の世界禁煙デーのテーマを「The WHO Framework Convention on Tobacco Control 世界保健機関タバコ規制枠組み条約」と決定しました。
世界保健機関タバコ規制枠組み条約は(FCTC)は、タバコ規制のための世界で初めての武器です。この条約は、WHOのサポートの下に作られた最初の条約であり、市民の健康増進が前進していることを示す目覚ましい成果でもあります。この条約は2005年に発効したばかりですが、国連の歴史上もっとも早く、170か国以上という、もっとも多くの国が批准した条約となりました。科学的証拠に基づいて作られたこの条約は、すべての人々に最高度の健康を享受する権利があることを承認し、タバコ規制活動を進めるための共同を行うに当たり、新たな法的支援の土台を提供するものです。
2011年の世界禁煙デーは、この条約の全般的重要性すなわち、締約国にどのような条約上の義務が課せられたか、また個々の国がその義務を果たすことを支援するために、締約国会議とWHOが重要な役割を果たす必要があることを強調することを主眼に取り組みが行われます。締約国会議は、この条約の中心的運営組織です。
世界は、1996年に世界保健総会がタバコ規制に関する国際的枠組み条約が必要であるとの決議を採択した時と同じく、いやそれ以上にFCTCを必要としています。タバコは予防しようと思えば予防できる死亡の最大の原因です。2011年にタバコが原因となった心臓発作、脳卒中、ガン、呼吸器疾患などで殺される人は世界中で500万人を超えるでしょう。この数字には、受動喫煙で殺される60万人は含まれていません。しかも受動喫煙死の4分の1以上は幼い子供たちに起きます。このままでは、2030年には、毎年800万人がタバコによって殺される可能性があります。タバコは20世紀に1億人の命を奪ってきましたが、何もしなければ21世紀には10億人が殺されることになるでしょう。
他の条約でも同じですが、FCTCは締約国つまり正式にこの条約を締結した国々(並びに欧州連合)に法的義務を課しています。
主な義務を以下に示します。

  • 国民の健康を守る政策がタバコ産業とその利害関係者によって捻じ曲げられないようにする
  • タバコ使用を減らせるようにタバコ税を上げる
  • 受動喫煙の害を完全になくする
  • タバコ製品の成分・添加物を規制する
  • タバコ製品に関する情報を完全に開示させる
  • タバコ製品のパッケージやラベルの規制を厳しく行う
  • 国民にタバコの危険性をしっかりと警告する
  • タバコの広告、宣伝、販売促進活動を禁止する
  • タバコ依存から抜け出すための援助を行う
  • タバコ製品の密輸・不法取引を根絶する
  • こどもにタバコ製品を売らない
  • タバコ栽培に代わる経済的に実現可能な転作を支援する

この条約は、低所得国と中所得国がその条約上の義務を果たす事ができるよう国際協力を行う重要性を強調しています。

今年の世界禁煙デーのキャンペーンは、次のメッセージを重点的に発信します。


すべての国は、タバコ消費と受動喫煙によってもたらされる大きな健康被害、社会的被害、環境破壊、経済的損失から現在と未来の世代を守るために、この条約の完全実施をやり遂げなければなりません。


さらに、

  • この条約は、多くの国の政府とその国民が持っているタバコのない世界を作る願望を反映し、それを実現するための行動を具体化したものです。
  • この条約の締約国には、その内容を全面的に実行する義務が課せられています。
  • 一人ひとりの市民には、自分たちの政府が条約を完全実施するよう働きかけ支援をすることが望まれています。
  • すべての個人と団体は、この条約が、公衆保健の歴史上の画期的出来事であり、また、タバコ規制を進めるための初めての国際的武器であるという認識を正当に共有すべきです。
  • WHOと締約国会議は、各国が条約とその関連ガイドラインを実施する義務を果たすために援助を行う用意があります。


この条約がタバコとの戦いに有効であることは、すでに証明されています。

しかしながら、この条約事務局が最近発表した「Reports of the Parties and global progress in implementation of the Convention: key findings、締約国および世界的にみたFCTCの実施の進展状況に関する報告書」によれば、「タバコ規制の諸政策間に実行率の顕著な差がみられる」と指摘されています。

締約国自身が認識しているように、この条約の有効性を最大限に生かすためには、さらなる努力が必要です。ウルグアイのPunta del Esteで最近開催された締約国会議(COP4)では、すべての国がこの条約を批准し、すべての条項を実施し、ガイドラインに沿った行動をとるように呼びかけが行われました。さらに、タバコ消費を減らす目的で策定された保健対策の実行を最優先課題として実施することも確認されました。

2011年の世界禁煙デーを起点とした1年間、WHOは、世界のすべての国々がFCTCをタバコ使用の世界的災害をなくする努力の中心に据えて活動するよう呼びかけます。

すべての国々が、WHOの要請に応えて、条約上の義務を果たす事を通じて、タバコによる病気と死亡の重荷を大きく減らす能力を高めるよう望みます。

翻訳;松﨑道幸氏(日本禁煙学会理事)

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